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不登校
2016/11/16

うつ病と不登校・ひきこもり⑥(うつ病と境界性パーソナリティ障害について)

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不登校支援ブログ

境界性パーソナリティ障害と「見捨てられ不安」

うつ病と間違われることのあるものには、統合失調症のほかに境界性パーソナリティ障害があります。

境界性パーソナリティ障害は、感情が不安定で、他者に対する評価も賞賛と幻滅が即座に入れ替わるという特徴があります。相手の理想化とこき下ろしが両極端に揺れ動き、浪費などの衝動的な行動を引き起こすこともあります。

そして、境界性パーソナリティ障害でさらに特徴的なものに、「見捨てられ不安」があります。

「見捨てられ不安」とは、自分にとって重要だという人から見捨てられるのではないかという不安ですが、この不安感が強いと、見捨てられないように、度を過ぎた努力をするようになります。過剰な食事制限や、自傷行為などがそれに当たります。

境界性パーソナリティ障害の症状は主に次のようなものです。

【参考文献】

・『子どもの心の診療シリーズ 子どもの心の処方箋ガイド』(齊藤万比古 総編集,中山書店)

・『臨床児童青年精神医学ハンドブック』(本城秀治 他編,西村書店)

・『パーソナリティ障害のことがよくわかる本』(市橋秀夫 監修,講談社)

◆不登校支援ブログ:うつ病と不登校・ひきこもり①~⑮

特徴は、感情や対人関係の不安定さ、衝動的な行動

・感情が不安定

・空虚感を常に抱いている

・気分の高揚と落胆を繰り返す

・自傷行為に走る、繰り返す

・「自殺する」と言って周囲の関心を集めようとする

・他者からの非難に対して激怒する

境界性パーソナリティ障害は、「ボーダーライン・パーソナリティ」とも言われることがあります。「自殺する」と言って周囲の関心を集めようとするだけにとどまらず、実際に自殺行為に及んでしまうこともあります。

この障害特有の不安定な自我や情緒は、幼少期の経験が関係しているとも言われていますが、その原因についてはまだ十分には解明されていません。境界性パーソナリティ障害の原因については、研究途上にあると言えます。

【参考文献】

・『パーソナリティ障害 正しい知識と治し方』(市橋秀夫 監修,講談社)

・『学校関係者のためのDSM-5』(高橋祥友 監訳,医学書院)

◆不登校支援ブログ:うつ病と不登校・ひきこもり①~⑮

うつ病と境界性パーソナリティ障害の違い

物事の捉え方、考え方、感情や行動のあり方など、ひとそれぞれの傾向を「パーソナリティ」と言いますが、そうした傾向が、感情や行動、対人関係に著しい不安定さを示すものを「境界性パーソナリティ障害」と言います。

パーソナリティ障害は、外界からの刺激に対する反応の仕方に著しく病的な偏りがあり、対人関係や社会生活に支障を来たすようになります。中でも、境界性パーソナリティ障害は、抑うつや不安感が強く、うつ病に似た症状が出るのです。

うつ病と境界性パーソナリティ障害の共通点としては、

・抑うつ症状

・強い不安感

・無力感

・自殺念慮、自殺企図

の4点が挙げられます。また、うつ病との相違点としては、

・抗うつ薬があまり効果を発揮しない

・情緒不安定

の2点があります。

しかし次に述べるように、うつ病と境界性パーソナリティ障害が並存することがあります。

【参考文献】

・『パーソナリティ障害のことがよくわかる本』(市橋秀夫 監修,講談社)

・『うつ病のことが正しくわかる本』(野村総一郎 監修,西東社)

◆不登校支援ブログ:うつ病と不登校・ひきこもり①~⑮

うつ病と境界性パーソナリティ障害の併存

ここでさらに注意すべきことは、境界性パーソナリティ障害が、結果的にうつ病を併発することもあり、境界性パーソナリティ障害とうつ病が併存するということもあり得るということです。

一般にパーソナリティ障害は、正常ではないものの病気とも言いきれない状態であり、正常圏と精神疾患とも重なる部分があります。

こうしたパーソナリティ障害が精神疾患を併発することがあるので、十分な注意が必要になります。

【参考文献】

・『図解 やさしくわかる うつ病の症状と治療』(野村総一郎 監修,ナツメ社)

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