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不登校
2025/11/07

通信制高校卒業生の28%が進路未決定

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通信制高校卒業生のうち3割弱が進路未定

文部科学省の学校基本調査(2025年時点)によれば、通信制高校卒業生の28%が進路未決定であり、これは全日制高校の4%より大幅に高いといえます。

通信制高校卒業生の3人に1人弱が進路未定ということになります。

通信制高校卒業生の進路未決定率は年々改善傾向にありますが、依然として高い水準で推移しています。

また通信制高校の在籍生徒に占める不登校経験者の割合は全体の約60%に達しており、このことも進路未決定率の高さに影響を及ぼしているのかもしれません。

不登校のセーフティネットとしての通信制高校

不登校児童生徒が全国で35万人を超え、不登校が拡大し続ける中で、特にコロナ禍以降は通信制高校の在籍生徒数は急激な増加傾向にあるといえます。

2020年には通信制高校在籍生徒数は20万人を突破しましたが、2015年で30万人を超えましたので約5年で10万人増員したことになります。

東京都内の不登校中学生の受け皿として、都立新宿山吹高校や都立チャレンジスクールが公立学校として役割を果たしてきましたし、特にチャレンジスクールはこの数年間で2校も増設されています。しかし、すでにご承知の通り競争率が生じており、狭き門となりつつあります。

こうした中で、私立の通信制高校〔通信制課程〕が、不登校中学生の卒業後のセーフティネットして機能し始めているといって過言ではないでしょう。

生徒間で拡大する《意欲格差=学力格差》

不登校中学生には、学習ブランクの長い生徒が多い一方で、必ずしも「勉強嫌い」な生徒によって占められているわけでありません。

「学校嫌い」、「集団行動が苦手」、「人とのコムにケーションが苦手」でありながらも学習意欲が強く、向学心を持った不登校中学生も実は少なくないのです。

こうした一部の生徒たちと、そうではない生徒たちの間で《学習意欲の格差》が広がることで、《学力の格差》を拡大する結果となっているのではないでしょうか。

不登校経験のある通信制高校生の中に、こうした《意欲格差=学力格差》の拡大が生じており、結果的に進路未決定率の高さを招いている可能性があります。

不登校過去最多のいま《意欲喚起》と《学び直し》が必要

不登校児童生徒数が35万4000人で過去最多を更新し続ける今、通信制高校への進学を余儀なくされている多くの不登校中学生に必要なことは《意欲喚起》であるといえます。

意欲喚起をするためには、将来のビジョンを描く想像力や状況をポジティブに捉えるマインドが必要です。

そして、長期間止まっている時間を動かすためには《学び直し》が求められます。学びこそが時を動かすのです。

《不登校過去最多》が毎年更新され常態化しつつある今こそ、前向きに未来を切り開いていく意思と勇気が求められているのです。いくら過去を悔やんでも、失われた時を取り戻すことはけっしてできないからです。

 

 

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