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不登校
2016/02/05

不登校・ひきこもりと認知の歪みについて②

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不登校支援ブログ

不登校生の「全か無か思考(2分割思考)」について

前回の記事では、認知の歪みの代表パターンの10種類を列挙しご紹介いたしました。

これらのうち「全か無か思考」について、不登校の生徒に即して具体的に述べてみたいと思います。

また、認知の歪みと自動思考の関係についても簡単に触れておきたいと思います。

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極端な全否定になりやすい不登校生の傾向

不登校生の考え方の傾向として、極端な全否定になりがちであるということが挙げられます。

よくある例①⇒一流大学、難関大学に受からなければ大学に行く意味や価値は全くない。滑り止めは受けないか、受かったとしても絶対行かない。「早慶でなけば駄目」「G-MARCH以上でなければ行く価値がない」「東大(京大)以外は受けない」などですが、過去にいた生徒で、「京大でなければ行く価値がない」と言って8浪して結局受からず、別の大学に進学した生徒が2人いました。

よくある例②⇒問題が一つでもできなければ、「100パーセントできなければ無意味だ、失敗だ、駄目だ」と考えて激しい挫折感と自責の念に襲われ、全て投げ出してしまうというパターンです。これは、たとえば塾で宿題を出されて自宅に帰ってやってみて1問でも解けなかったりよく分からなかったりすると、「もう駄目だ」「私は勉強には向いていない」「やっても意味がない」「先生に合わせる顔がない」などと落ち込んで、塾を休んだり、ひどい場合は塾をやめたいと言ってきたりすることがあります。

よくある例③⇒学校や塾を1回でも休むと、それで気持が切れてしまう生徒もいます。こうした中高生は、うちの塾でも毎年1割ぐらいはいるのですが、とにかく1回でも休むと「自分はダメ人間だ」「1回でも休むと行く価値がない」などと言い出してしまいます。このパターンの場合は、②のパターン同様に、ひきこもりに逆戻りしてしまう危険性が高いため、特に注意が必要になります。

自動思考と認知の歪み

自動思考については、次回以降のブログ記事でも詳しくご説明いたしますが、簡単に言えば、その場で瞬時に頭に浮かんでしまう思考のことです。

たとえば、数学のテストのときに計算ミスをしてしまったりしたときに、「ああ、またやっちゃったよ」と考えたり、親に叱られて説教されたりしたときに、「何もそんなにがみがみ言わなくてもいいのに」などと思ったりしますが、このように頭の中では常に、思考が浮かんだり消えたりしているわけです。

こうした自動思考は、意識しなければ、たいていは気づくことなくすぐに消えてしまいますが、気分を左右する自動思考に気づくことで、自分の自動思考には特有のパターンがあることが分かってきます。

自分の自動思考の特徴的なパターンを理解すると、自分の自動思考の偏りにも気がつくことになり、この結果生み出されている認知の歪みに自覚的になります。

不登校生に特徴的な自動思考

不登校やひきこもりに陥っている中高生に特徴的な自動思考は、事実誤認に基づくものが多く、たとえば先程の「東大以外は行く価値のない大学だ」などというのも、その典型例ですし、宿題が100パーセントできなければ無価値・無意味であると考えてしまい、1問でも解けなければやる意味がない、などと考えてしまうことにも、実は何の根拠もありません

逆にそうしたことを考えたり悩んだりしている時間や労力そのものが無意味なのです。

自分の自動思考のパターンに対していかに自覚的になれるかが、自分の考え方がいかに事実とかけ離れたものであるかを理解するための第一歩であると言えます。

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不登校・ひきこもりを長期化させる「認知の歪み」

不登校生は、ともかく極論に走りやすい傾向が強く、この認知の歪みが不登校やひきこもりを長期化させ、こじれさせていることは珍しくありません。

不登校生が事実誤認に基づく自動思考に陥りやすく、認知の歪みを生じやすいのは、端的に、確かな情報から遠ざかっている、隔離されているということとも無関係ではないでしょう。

同世代の友人関係から完全に隔絶しているような場合、不登校・ひきこもりの中高生の情報ソースは、ネットしかありません。

周囲の大人たちが、正しい情報を与えてあげることで、少しずつ考え方を修正していくことが必要になりますし、頭ごなしに否定することはむしろ逆効果であると言えます。

次回以降のブログでは、不登校生に特徴的な自動思考、認知の歪みと、これも不登校生に多い不安障害やうつ病との関連についても触れていきたいと思います。

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