不登校からの回復には充電期間が必要です
管理者用にしおぎ学院は不登校学習支援を行っている杉並区の個別指導塾です。不登校からの回復までには、時間がかかる場合が少なくありません。そんなとき、周囲の大人たちはむやみに子どもを叱咤激励をするのではなく「心の充電期間」だと思って見守ってあげることが大切です。
【目次】
1.不登校が回復に向かうには十分な時間が必要です
不登校に陥って長期間経過しているような場合は、長い目で回復に向かうのを待つしかありません。特に、ひきこもりに陥っているようなケースでは尚更です。
しかし、不登校・ひきこもりになってからしばらくすると、一時的に回復に向かっているように見えることがあります。そこで周囲の大人たちが早合点してしまうと取り返しのつかないことになるので要注意です。
回復までの期間、よくなったと思えば再び症状が悪化することがあり、好不調の波が絶えず繰り返されます。そうした不安定な好不調の波の中で、緩やかに状態が上向いてくると考えられます。
しかし、自殺念慮のある子どもの場合、抑うつ症状が重いときには元気がないために実行に移しませんが、コンディションが回復してくると自殺企図に移行する危険性が出てくるので、家庭では十分な注意が必要になります。
2.不登校・ひきこもりは充電期間と考えましょう
不登校からの回復のためには、何よりもまず休養が大前提となります。学校生活や受験勉強などで大きなダメージを受けている子どもは、心身のエネルギーを消耗していることをご理解いただくことが大切です。
サボっているように見えてしまうかもしれません。ここで感情論や精神論を子どもに浴びせると、状態を悪化させてしまいかねないので十分な注意が必要です。
消耗しきったエネルギーを回復させていくためにも、十分な休養を取らせることこそが必要なのです。休養のためには十分な睡眠を取ることも不可欠で、場合によっては昼寝などの仮眠も必要になります。
子どもに、こうした十分な休養を取らせるために、学校を休ませるという選択も出てきます。言うまでもなく、学校には配慮をしてもらわねばなりませんし、そのためには医師からの診断書を見せるなどして、学校の担任に理解を求めなければなりません。
3.まじめで過剰適応する子ほど不登校になりやすい
意外に思われるかもしれませんが、不登校に陥りやすい子どもは、几帳面で真面目な完璧主義である傾向があるということは、心に留めておく必要があります。
にしおぎ学院に通っている不登校中学・高校生たちに共通している特徴でもありますが、「物事に手を抜けない」、「いやなことや無理なことでも断れない」など学校生活や人間関係、そして勉強に対して過剰適応してしまいがちな特性があると言えます。
こうした生徒が学校を休むことで、心身が休まらなくなってしまうことも当然ありえます。長期間の欠席により、学習進度に大幅な遅れが出てしまう、定期試験が受けられない、ちゃんと元通り授業についていくことができるのか、などという焦りが生じてくることは当たり前のことです。部活に入っていた生徒の場合は、チームメートへの重い罪責の念を抱いてしまうことも珍しくありません。
親は、休養の大切さを子どもにしっかりと明確に伝える必要があります。また家庭内では、こうした子どもに対しておおらかに、ゆったりと構えて、家の中で本人がやりたいことをやらせるような環境を整えることが大切です。
4.不登校の子どもを叱咤激励するのはNGです
不登校に陥っている子どもは、そうなる前までに受験や部活、そして学校での人間関係、失恋などでさまざまな困難を経験して心身のエネルギーを消耗してきている可能性があります。家庭においては、こうした子どもの疲弊を理解し、受け止めてあげることが求められます。
特に「勉強が遅れるかもしれない」「出席日数が足りなくなるかもしれない」「進学・進級ができなくなるかもしれない」「部活に戻りたい」などの焦燥感が生じてきたときには、子どもが時間的なゆとりを持てるよう、休むことを積極的に勧めてあげることが大事です。
子どもの焦りや苛立ちに、周囲の大人たちが一緒になって感情的に高揚し、子どもの気持ちや言動に振り回されるようなことがないよう、冷静かつ慎重に対応していただきたいと思います。
こうした子どもに対して「頑張れ!」「へこたれるな!」「まだ間に合う!遅れを取り戻そう!」などと叱咤激励することはむしろ逆効果です。このように励まされることで、さらに精神的な余裕を失ってしまい、折れた心を立て直すための余裕がなくなるのです。
5.不登校の子どもには感情に好不調の波があります
また、先程述べましたが、不登校に落ちっている子どもは感情の起伏が激しく、朝言ったことと夜になって言うことが違うということも珍しくありません。
不登校に陥っている子どもには、感情に好不調の波があり、よくなったり悪くなったりの繰り返しを経て少しずつ回復に向かっていくのだということを理解しておく必要があります。一時的に明るくなって元気を取り戻したかのように見えても、その翌日には気が滅入って落ち込んでいることはよくあることなのです。
こうしたの変化に、周囲が振り回されないことも大切なことです。
そして回復期の自傷行為になどには注意が必要です。よくなっている時期ほど、周囲は注意を怠ってはならないということになります。回復期こそが、最も危険な時期であると認識しておいた方がいいでしょう。ちなみに、読書などができるようになってくれば、だいぶ回復してきたと言えます。
特に抑うつ症状などが顕著な場合は、必ず医師など専門家の判断に従い、回復するまでは油断は禁物であるということです。
6.進路決定や復学などを焦る必要はありません
これまで述べてきたように、うつ病回復のペースになるのは何もせず休養を十分に取ることですが、中高一貫校の進級、高校受験、あるいは退学、転学など、進路決定に関する重大な事柄についての判断や決断についても、回復後に完治した状態で冷静に検討する必要があります。
抑うつ症状で不登校に陥っているような場合、数ヶ月程度でその症状が目立たなくなってくることが多いのですが、その時点で復帰を急いでしまうと再発する危険性があります。このため、回復に要する期間は少なくとも1年程度であると認識して、ゆっくりと休養を取りながら、じっくりと静養に専念してもらうことを優先すべきなのです。
周囲は焦らずに、子どもを協力してサポートしてあげることが大切で、ちょっと調子がよくなってきたからと言って、無理に復学させようとしたり、受験勉強を再開させようとしたりすることは、かえって非常に危険だということです。
受験や進学を焦って考えるのではなく、じっくりと腰を据えてエネルギーを充電し、回復を目指すことが先決なのです。こうした意味からも、子どもの進路決定などに関する重大な判断については、回復してからの方が安全であると言えます。
7.中3生の場合、無理のない進路選択をしましょう
中学3年生の場合、高校進学に関しては、全日制高校への進学にあえてこだわる必要はありません。昨今は、不登校に対応した多様なな進路選択が可能になっています。
たとえば通信制高校やチャレンジスクール、そして新宿山吹高校定時制課程という選択のほか、高校に進学せず高卒程度認定試験を受検して高卒資格を取得して、大学・短大などへの進学を目指すという選択肢もあります。
また、こうした高校は3年卒業と4年卒業を選択することも可能ですので、自分の回復・復帰のペースに合わせて無理なく学習を進めていくことができます。焦る必要はまったくありません。
進路に関しては大学入試までを長期的に考え、負荷のかなりにくい進路選択をゆっくりと検討していただきたいと思います。高校に進学すること自体が目的なのではありません。
とにかく、不登校・ひきこもりの再発リスクを軽減なするためにも、進路決定などの重大事項は完全に回復してからでもけっして遅くはないということなのです。
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