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不登校
2016/03/26

起立性調節障害〔OD〕と不登校・ひきこもり②【ODと人間関係】

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不登校支援ブログ

ODと人間関係について

起立性調節障害〔OD〕を発症すると、周囲との人間関係にも様々な影響が出始めます。周囲の大人たち(親や教師)によるODへの誤解や偏見を解くため、この病気に関する正しい知識と理解が必要です。ODによる不登校は、けっして「怠け」による学業放棄ではありません。

1.いじめと起立性調節障害〔OD〕

2.ODを発症しやすい生徒の性格

3.ODを発症すると周囲の大人との関係も悪化しやすい

4.ODは「怠け」や「サボり」ではありません

5.学校関係者における認知度の低さ

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1.いじめと起立性調節障害〔OD〕

いじめは不登校の大きな原因となり得ますが、ODの発症・悪化とも関連があると見られています。

学校でのいじめは、生徒にとって心的外傷体験となり、大きな心理的ストレスを与え、そのストレスが自律神経系に悪影響を及ぼし、ODを発症したり悪化したりすることがあります。

前回のブログでも述べましたが、ODは機能性身体疾患であり、体の病気ですが、心理的社会的なストレスで悪化すると言われています。このようなストレスを受けると、自律神経のバランスが崩れてしまい、身体的症状として現れてくるのです。

ODを発症すると、朝起きられなくなり、遅刻・欠席が増えてきますが、遅刻・欠席が多いことでいじめのターゲットにされやすくなります。いじめにあっている生徒の場合、自分から告白することはありませんので、周囲の大人には注意が必要です。

《参考文献》

・『子どもの心の診療シリーズ① 子どもの心の診療入門』(中山書店:齊藤万比彦 総編集・責任編集)

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2.ODを発症しやすい生徒の性格

ODを発症しやすい生徒は、幼少時よりいわゆる「いい子」が多いとされ、意思表示やわがままが大変少なく、周囲の人に合わせて行動することが多いようです。細やかな心配りができ、周囲に気を遣う生徒が多く、自らの感情を抑えて行動し、周囲の期待に応えようと努力します。

こうした生徒がODを発症すると、幼い頃から溜め込んでいるストレスが一気に噴出し、親とのいさかいも増えます。精神的にかなり不安定になりますし、また自室にひきこもり気味になっていきます。

ODを発症しやすい生徒の場合、もともと気持を抑え込んでしまう傾向が強いために、OD発症後に抑え込まれた感情が爆発しやすい精神状態になると考えられます。

ODを発症しやすい生徒は、幼少の頃から過剰適応な性格が強いため、親の手を煩わすことが少なく、その結果として、親に甘えたいという依存欲求が満たされにくくなっていると考えられます。

《参考文献》

・『起立性調節障害の子どもの正しい理解と対応』(中央法規:田中英高 著)

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3.ODを発症すると周囲の大人との関係も悪化しやすい

ODに見られる起立時循環調節機能は、特に午前中に障害されますので、朝には起床困難を来たすことになります。そして、無理に起き上がったとしても、強い全身倦怠感を伴うことになります。しかし、ODの場合、起立時では全身倦怠感が生じますが、横になると症状が軽減します。

このため、起床してもすぐにごろごろし、学校になかなか行きたがらず、遅刻・欠席を繰り返すようになっていきます。そして不登校になり、寝そべってごろごろしたり外出することを拒むようになる生活が長期化してくると、さらに起立耐性が低下して、ますます症状が悪化していきます。

一方では、夜になると回復して元気になるため、保護者や教師からは、単なる怠惰であると見なされやすく、特に保護者からすると、自分の子どもの様子をきわめて否定的に捉えがちになります。このため、根性論や精神論に走りやすくなりますし、無理矢理寝かしつけて早起きさせようと、激しく叱責するようになります。

このようなことが原因で親子喧嘩が絶えなくなり、親子関係は悪化していきます。当たり前のことですは、多くの保護者は子どもの現状・将来に対して強い不安を抱えていますし、子どもに対して否定的な感情を抱くようになっています。この結果として、過干渉になったり、逆に拒絶的・拒否的な態度を取るようになります。

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4.ODは「怠け」や「サボり」ではありません

前段でも触れましたが、ODを発症しやすい生徒は、幼少時に過剰適応しやすい性格傾向が強いため、親としては「手のかからないいい子」だったわけですが、その「よい子」が朝起きられなくなって、遅刻・欠席を繰り返し不登校・ひきこもりになってしまうなどという現実を受け入れることは容易なことではありません。そのような子どもに対して、拒絶感を抱き拒否的な態度を取るようになっても仕方のないことだと言えます。

そして子ども側の親に甘えたいという気持と、反抗したいという気持の矛盾した感情と、親の子どもに対する感情がぶつかり合うことで、親子関係はさらにこじれていくことになります。

同じような理由で、教師がその生徒を単なる怠け者としてレッテル貼りをし、決め付けてしまうような場合にも、生徒と教師の関係は一気に破綻し、不登校・ひきこもりが固定化してしまうことになります。

このように親子関係の悪化や、教師・生徒間の信頼関係の破綻は、約1割がうつ病を併発する可能性が指摘されており、そうなるとその後の治療が困難になりかねません。

ODに対する適切な理解と援助により、人間関係をこじらせないことがとても大切です。ODはけっして「怠け」や「サボり」などではありませんし、したがって精神論や根性論の押し付けで簡単に治るものでもありません。

《参考文献》

・『うちの子が「朝、起きられない」にはワケがある』(メディカルトリビューン:森下克也 著)

◆【不登校 個別対応】にしおぎ学院:入塾までの流れ

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5.学校関係者における認知度の低さ

学校関係者におけるODの認知度については近年高くなってきているとは言え、養護教諭を除く一般の教員の認知度は決して高いとは言えません。約6割の教員が、起立性調節障害〔OD〕という病名すら知らないという報告があります。

このように、日常的に生徒と接する機会の多い教師(特に学級担任)がODに関する知識や情報を全く持たない、あるいはほとんど何の関心もないという状況では、ODの生徒を「怠け者」扱いしたとしてもいたし方ないと言えます。

特に私立の進学校などの場合、もちろん学校にもよりますが、進学実績を上げるために生徒に過度な勉強をさせることが指導の主眼となりがちで、学校に来ない生徒に対してまで真剣にかかわろうとしない教師が出てきたとしても不思議ではありません。中にはODに理解を示してくれる学校もあるのかもしれませんが、一向に顧みられないケースが非常に多いという印象があります。

私立中高一貫校などの進学校の場合、教員が進学指導に多くの時間・労力を割かざるを得ないため、その学校の趣旨・特色に合わない生徒をフォローする余裕は教師にもほとんどないのではないでしょうか。

しかし、学校や教師の無理解がODを悪化させ、結果的に不登校・ひきこもりを固定化し、うつ病まで併発させかねないことを考えれば、(公立・私立問わず)学校関係者へのODの周知徹底は喫緊の課題であると言えるでしょう。実は進学校であるとか、公立だから私立だから、などという問題ではないということなのです。

そして家族と学校の連携なくして、OD悪化による不登校・ひきこもりの固定化を防いでいく方法はあり得ません。

《参考文献》

・『起立性障害の子どもの日常生活サポートブック』(中央法規:田中英高 著)

◆「起立性調節障害〔OD〕と不登校」①~⑨まとめはこちら

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