不登校・ひきこもりとゲーム・ネット依存症②〔オンラインゲームへの過度な依存〕
管理者用
オンラインゲームへの過度な依存は、確実に健康を蝕みます
前回の記事「不登校・ひきこもりとゲーム・ネット依存症①」では、ゲーム依存やネット依存による不登校・ひきこもりの現状について概略を述べてきました。
ネット依存の中でも、特にオンラインゲーム依存、そしてその中でも「集団参加型」「多人数参加型」のゲームが昼夜逆転を引き起こしやすく、不登校・ひきこもりに結びつきやすいという点にも触れました。
深夜の時間帯(午後11時~午前2時ごろ)にオンラインゲームに熱中することにより、健康を害する危険性も指摘されています。具体的に言えば、睡眠不足のほか食生活の乱れによる健康への悪影響です。
今回の記事では、オンラインゲーム依存による、食生活の乱れによる健康への悪影響、睡眠不足による体調不良について触れたいと思います。
◆不登校支援ブログ:不登校・ひきこもりとゲーム・ネット依存症①~⑥
不規則な食事により栄養状態が悪化
オンラインゲーム依存の場合に多いと言われるのは、欠食と偏食による栄養状態の悪化です。前回の記事でも触れましたが、布団に入っても興奮状態が収まらず、明け方4時ごろまで眠りにつけず、午前中は寝ているため朝食をとらないことが日常化していく傾向があります。
また、夕食をとらずにオンラインゲームに熱中するケースが最も多いと言われてします。ゲーム中に空腹になった場合は、即席で食べることのできるインスタント食品、パン、菓子類を間食しながらゲームを続行するというのが、ゲーム依存の人の通例のようです。
こうした食生活が体にいいわけがありません。長期間続けていると血液がどろどろになって、血栓を起こしやすい非常に危険な状態になります。
インスタントのカップ麺やパンでしか食事を取らず、おまけに運動も外出もせず、毎晩深夜にこうした炭水化物中心の食生活を続けているわけですから、当然ながら生活習慣病になるリスクも高くなります。こうした食生活・食習慣が身体にいいことなど何一つとしてありません。
【参考文献】
・『ネット依存から子どもを守る本』(キム・ティップ・フランク 著,大月書店)
・『ネット依存・ゲーム依存がよくわかる本』(樋口進 著,講談社)
◆不登校支援ブログ:不登校・ひきこもりとゲーム・ネット依存症①~⑥
寝つきが悪くなり、眠りも浅くなりがち
夜通し明るい画面を注視し続けてオンラインゲームに熱中しているため、頭が冴えて寝つきが悪くなり、さらに睡眠が浅くなりがちになります。
寝つきが悪く、睡眠が浅い状態が続くと、慢性的に倦怠感を覚えるようになり、起きている間もずっと体がだるくて重たい状態になりますし、疲れやすく次第に無気力になっていきます。
立ち上がってちょっと家の中を歩き回っただけでもふらふらになって、すぐに横になってしまいます。しばらく寝転んでいたとしても疲れは取れませんし、だからと言って立ち上がろうとすると立ちくらみがして立っていられません。
しかし、夜になってゲームを始めると興奮状態になり目が冴えてくるのです。こんなことの繰り返しなのです。
食生活・食習慣の乱れによる健康への悪影響、そして睡眠不足による日中時間の体調不良、これらが重なり、外に出て人に会ったり話したりすることがどんどん億劫になっていきます。
オンラインゲームへの依存が長期化した結果、不登校・ひきこもりになっているような場合では、こうした状態がいっそう深刻化していったとしても何ら不思議はありません。
【参考文献】
・『子どもがネットに壊される』(メアリー・エイケン 著.ダイヤモンド社)
・『ネット依存症のことがよくわかる本』(樋口進 著,講談社)
オンラインゲーム依存は早期発見、早期治療が大切
前回の記事でも強調しましたが、オンラインゲーム依存に関しては、軽い問題として片付けることが到底できないのです。健康状態の悪化により、不登校やひきこもりが悪化しさらに長期化していくという悪循環が生じていきます。
オンラインゲームへの依存が3~4年続いているという場合は、この悪循環を断ち切ることが難しくなっている可能性もあるので、必ず専門外来を受診されることをお勧めいたします。
周囲の大人たちの中には「たかがゲームだろう。ほっといたら、そのうち自分で気づいて自然に治るだろう。」などと軽く考えている方もいらっしゃるかもしれませんが、それは大変な間違いです。
周囲の大人が、「たかがゲーム」あるいは「本人の自覚次第」と考えて長期間放置していると、本当に取り返しのつかないことになりかねません。たとえば、中学生なら高校受験、そして高校生であれば大学受験、ということになると思いますが、こうした生徒本人の将来の進路決定に際しても、致命的な阻害要因になるとご認識された方がいいと思います。
オンラインゲーム依存に関しては軽く考えて放置するのではなく、早期発見と早期治療がきわめて重要だと言えます。
【参考文献】
・『ネット依存症から子どもを救う本』(樋口進 著,法研)
・『ネットに奪われる子どもたち』(清川輝元 編著,少年写真新聞社)
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