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不登校・ひきこもりとネット依存⑥

ネットゲーム依存による健康への悪影響を防ぐために
ネットゲームを長時間行っていると、栄養失調や健康への障害を引き起こす危険性については、すでにこの連載記事でも指摘してきました。ネットゲーム依存が長期化している場合、視力低下、筋力低下、そして骨密度の低下のほか、手根管症候群、ひきつけ、肺動脈血栓塞症を起こす可能性もあるため非常に危険です。
単に「ゲームなんかしている時間があったら勉強しろ」「学校へ行け」「ちゃんと朝起きろ」などと叱責するのではなく、上記のような健康に及ぼす具体的な悪影響について、子どもに正確に説明する必要があり、予期されるこうした健康への障害を未然に防ぐ方法についても併せて伝えなければなりません。
感情論や精神論を述べるだけでは、ネット依存症の健康障害を防ぐことができないのだということを、保護者の方が強くご認識されることが大切なのです。
ネット依存症という名称は比喩でも大げさな言いか方でもなく、アルコール依存症などと同様に、れっきとした依存症であり、依存症であるということは、重症化した場合に医療機関での治療対象となるのだということも、銘記しておくべきでしょう。
ネットゲームを1日1~2時間以内に制限する
ネットゲームを起きている間、延々とやり続けているような場合、最大でも2時間以内に制限する必要があります。また同じ動作の反復を避けるように注意し、1時間ごとに10分程度のインターバルを置かねばなりません。
起きている時間中、食事も取らず、取るとしてもスナック菓子や菓子パン、インスタント食品のみという状態が毎日続くと、非常に危険です。このため、時間制限とインターバルはきわめて重要になりますし、連続使用の制限をかけることがなければ、やりたい放題になってしまい、終わりがなくなってしまいます。
不登校の生徒に対しては、「本人に自分の意思で決めさせた方がいい」あるいは「好きなようにさせなさい」などということを言う場合がありますが、ネット依存をはじめとする依存や嗜癖に関しては、非常に危険であると言わざるを得ません。
先程来述べているように、ネット依存は、アルコール依存などと同じく依存症であるという認識を持ったほうがよく、やりたい放題、好き放題にさせるなどということはけっしてあってはなりません。
「中学受験の勉強をずっと頑張って我慢してきたのだから、受験後ぐらいは大目に見てやろう」などと軽く考えて、深夜遅くまでネットゲームに没頭することを無制限に許容してしまうと、1~2ヶ月程度の短期間でもネット依存症になり重症化する可能性は大きいのです。
血流を促進し血栓ができるのを防ぐ
ゲームのインターバルや最中に、時間を決めて椅子から立ち上がり、背伸びをして部屋の中を1周程度、歩き回るという動作だけでも、血流を促進し血栓の予防の繋がります。また椅子や踏み台に足を乗せるだけでも、下半身への血流が促進されます。
血栓を防ぐためには、水分補給も重要ですが、この場合はできればミネラルウォーターなど、カフェインの含まれない飲料を飲んでください。
カフェインが含まれている飲料の場合、興奮して眠れなくなる危険性もあるので、くれぐれもご注意いただきたいと思います。
多人数参加型オンラインゲームへの参加は慎重に
大規模多人数同時参加型オンラインゲームに関しては、先月のブログ記事でも指摘したように、深夜の時間帯に白熱することが多く、また依存性が特に高いため、制限をかけるというより、完全に禁止した方がいいでしょう。
この種のゲームは、プレイに長時間を要しますし、昼夜逆転の原因を作りやすいと言えます。
私たちの塾の不登校中学・高校生でネット依存により不登校が長期化しているような場合の多くは、この多数参加型ゲームにはまっており、対象年齢・時間制限に関しては、保護者の厳重な監督が必要だと言えます。
多数参加型ゲームは、顔見知りの友人関係に束縛されることもあり、なかなか抜けられないという性質もあります。
こうしたゲームの性質から言っても、できれば避けていただいたほうが安全でしょうし、ネットゲームではなく、日常生活の中でのリアルな人間関係、友人関係を優先することが大切になってきます。


